バイアスとは日本語で、「偏り」「偏見」「先入観」等の意味がある言葉です。統計学や心理学の分野では「何らかの偏り」のことをバイアスと言います。多くの人に浸透している固定観念やイメージ、思い込みを表すステレオタイプと似ている言葉ですが、バイアスとはステレオタイプに評価・感情・態度・行動が加わっています。例えば、「女性は数学が苦手」と考えてしまうのはステレオタイプですが、「女性は数学が苦手、だから理系の女性は変わっている」と考えるのがバイアスとなります。心理的なバイアスにはさまざまな種類があるので簡単に紹介していきます。
認知バイアス これまでの経験から形成される先入観や、直観などにより生じるバイアス。日常的に生じやすいバイアスでもあります。
確証バイアス 「自分が立てた仮設」または「人から与えられて仮説」が正しいかどうかを判断する時、仮説を反証する情報ではなく、仮説を確証する情報に着目し、重視する傾向があるというもの。
アンコンシャスバイアス 無意識に形成された先入観や偏見のこと。「普通はこうするよね」とか「これをやるためにはこうするのが一番」といった、無意識の先入観により、データの分析や他人の評価を間違った方向に導くことがある。
権威バイアス 「あの有名な調査機関が発表したデータだから間違いないだろう」と、データを妄信してしまうというもの。
正常性バイアス なにか大きな出来事があった時に、「大丈夫だろう」と思い込もうとするもの。例えば、災害が発生したときに「自分は大丈夫」と考えて逃げ遅れるのもこのバイアスのはたらきによるもの。
希少性バイアス なかなか手に入らないものに魅力を感じるもの。「残り僅か」「期間限定」などの文言に弱い人はこのバイアスのはたらきによるもの。
内集団バイアス いわゆる「身内びいき」のこと。同じ学校出身とか同じ都道府県出身というだけでなんか親近感がわくのはこれのせい?
自己奉仕バイアス 成功は自分のおかげ、失敗は他人や環境のせいにしようとするバイアス。何か成功したときに「自分ってすごい」と思うことはいいかもしれませんがやり過ぎはちょっとね…
行為者・観察者バイアス 「自分のミスは環境のせい、他人のミスはその人のせい」とする心理のこと。自分に甘く他人に厳しい人ってこのバイアスに陥っている?
SCIENCE IS ELEGANT
「知る」ことで世界が「広がる」、「学ぶ」ことで世界が「色付く」
新入塾生募集中!