ガリレオの時代は,すべての天体は地球の周りを回っていると言う天動説が主流の考え方でしたが,ガリレオは太陽の周りを地球が動いているという地動説を信じる一人でした。このような中,ガリレオは手製の望遠鏡を用いて木星の周りを周回する4つの天体(ガリレオ衛星)を発見し,地動説を裏付ける大きな証拠と考えたそうです。ガリレオがこれらの衛星を最初に発見したのは1610年1月7日のことでした。現在では,木星の衛星はおよそ80個ほど発見されています。
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ガリレオ衛星はそれぞれ公転の半径が小さい方から順に,イオ・エウロパ・ガニメデ・ガリストと名付けられていますが,これらの名付け親はガリレオではなく,ドイツのシモン・マリウスという人物です。マリウスは,4つの衛星が木星(ギリシア神話ではゼウス)に従っていることから,ゼウスの愛人であったイオ・エウロパ・ガニメデ・ガリストと命名しました。実は,マリウスはガリレオよりも1日遅い1610年1月8日に4つの衛星を発見しており,悔しい思いをしていましたが,めいめいのセンスの良さもあって,個々の衛星の呼び名はマリウスが提案したものが使われています。ちなみに,ガリレオは1609年からトスカーナ大公となったメディチ家の4兄弟(コジモ・フランチェスコ・カルロ・ロレンツォ)の名前を使用していました。
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さて,ガリレオは今から400年以上前にお手製の低倍率の望遠鏡で木星の衛星を観測したわけですが,今では市販の双眼鏡や望遠鏡で容易にガリレオ衛星を観測できます。公転周期も短いので,興味のある人は是非ガリレオ衛星を観測して公転周期や公転半径を記録し,ケプラーの第3法則を体感してみてください。
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