食欲のないときにサラダが出てくると、本当にありがたいものです。
小さい頃は「最近、野菜が高くてねぇ」という話を聞いても、まるで心が動きませんでした。
食べ物への感謝がなかったのでしょう。
今ではゴーヤやピーマンを見れば目がハートになりますが、子どもの頃は妖怪にしか見えませんでした。
人は変わるものです。
成長する中で、幼い価値観は少しずつ更新されていきます。
だから、「昔、近所の犬に吠えられたから犬が嫌いなんです」と言われると、「いつまで昔の恨みを採用しているのだろう」と思ってしまいます。
もちろん苦手意識は簡単には消えません。しかし、昔の経験だけで今を判断し続けるのは少しもったいない気がします。
思い出は、自分という存在を確認するための大切な材料です。安心感も与えてくれます。
けれど、思い出や自分の考えだけに浸りすぎると、世界は広がりません。
勉強も同じです。
自学自習はとても大切です。しかし、それだけでは気づけないこともあります。知らず知らずのうちに間違った癖がついてしまうこともあります。
だから塾があります。
塾は学びの宝庫です。
さて、中学生はある時期を境に急に変わることがあります。
急に勉強するようになったり、急に成績が伸びたり、急に物事を真剣に考えるようになったり。
もちろん本当に「急」だったわけではありません。
本人の中では少しずつ積み重なっていた変化が、ある日表面に現れただけです。
そのきっかけの一つが、中1の夏だと私は思っています。
中学生活に慣れた頃に迎える最初の長い休み。
しかし、「慣れた」と「理解した」はまったく別の話です。
ゲームで遊ぶことはできても、ゲーム機を作ることはできません。
知っていることと説明できることも違います。
夏休みは自由です。
そして自由には必ず自己責任が伴います。
誰かが毎日指示を出してくれるわけではありません。
自分で考え、自分で行動し、自分で時間を使わなければなりません。
だから夏休みほど、その子自身が表れる期間はありません。
先を見通せる子は、自然とやるべきことに順応していきます。
一方で、「やる気はあるのに動けない」という子もたくさんいます。
実はそれも無理のないことです。
やる気とは感情です。
夢を持つのも感情。
目標に向かう気持ちも感情。
周囲の期待に応えたいと思うのも感情です。
しかし、
面倒くさいのも感情。
疲れたのも感情。
遊びたいのも感情。
飽きたのも感情です。
人の心には、前向きな気持ちと後ろ向きな気持ちが同時に存在しています。
「頑張りたい」と「今日は休みたい」は、いつも同居しています。
だから、やる気だけに頼ると続きません。
学習の成果が結果として現れるまでには時間がかかります。
しかし感情は長続きしません。
永久に前向きでいられる人などいないのです。
だからこそ先生たちがいます。
迷ったときに背中を押し、立ち止まったときに道を示し、続けるための環境を整える。
中1の夏は、大きく変わるきっかけになる夏です。
この夏をどう過ごすか。
その選択が、半年後、一年後の自分をつくっていきます。
先生たちも全力で応援します。一緒に良い夏にしていきましょう。