【高等部 中島校】SCIENCE IS ELEGANT Vol.絶対温度

温度とはどういうものかをひと言でいうのはとても難しいが、ざっくりとしたイメージで言うと粒子の熱運動の度合いであると言える。つまり、粒子が激しく運動していたら温度が高く、逆にあまり運動していなければ温度が低いということである。ということは、どんどんと物体を冷やしていくとそのうち、物体内の粒子が完全に静止してしまう温度が現れる。この温度を0 とした温度の単位を絶対温度といい、単位はK(ケルビン)で表す。

閑話休題

皆さんは、物体を冷却する方法を思いつきますか。加熱するのであれば、物を燃やせばいいですが、冷却するのはどうでしょうか。粒子が完全に静止するような超低温を作り出すためには、特殊な技術が必要となります。例えば、レーザー冷却というものがあります。これは、特定の波長の光を物体にあてることによって物体を冷却していくという技術ですが、これはビリヤードをイメージしてもらえればわかりやすいかと思います。

赤駒

温度が低い状態は粒子があまり運動していない状態です。ボールとボールがぶつかるとぶつかり方によっては片方のボールの速度が落ち、もう一方のボールの速度が増すということが起こります。この原理を応用すると、原子に光を当てることによって原子の運動を制御することが可能となります。このようにして、超低温の世界は作られていきます。(これ以外にもたくさんの冷却技術があります)

青駒

絶対温度は高校化学の気体法則の分野、高校物理の熱力学の分野で登場します。日常的に使っている温度は○○℃ですよね。これは、セルシウス温度と言われるもので、水が凝固する温度を0 、沸騰する温度を100 とするように、特定の物質の性質に依存しています。絶対温度はすべての粒子に共通する性質を利用した温度であるため、科学の計算をするうえでとても便利なものとなります。新しものを導入するときは、始めは慣れないため使い勝手が悪いという印象を受けますが、そこは慣れるためにも沢山使っていきましょう(スマホやタブレットも同じでしょう)。

SCIENCE IS ELEGANT

「知る」ことで世界が「広がる」「学ぶ」ことで世界が「色付く」

文理学院中島校 理系担当 伴野

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