【高等部 富士宮駅南校】SCIENCE IS ELEGANT Vol.花火

日本の花火の歴史は,1543年の鉄砲伝来とともに火薬の配合が伝えられたことにより始まりました。夏の夜空を彩る花火は,花火の玉を打ち上げて上空で爆発させ,たまに詰められている星を周囲に飛ばす。星は燃えながら光や煙を出し,大空に様々な模様を描く。このような花火を打揚花火といい,これの他にも,仕掛花火や玩具花火といったさまざな花火が存在します。このような花火には様々な化学の知識が使われています。

紫駒

花火本体の火薬に火をつけるための導火線は,硝石(硝酸カリウム)・木炭粉末・硫黄の混合物である黒色火薬によってつくられています。打揚花火ではこの導火線の長さを調整して,玉が最高点に達した瞬間に割薬に点火できるようにしています。

割薬は玉の中心に詰められ,星を周囲に飛ばす役割を担っています。割薬は,籾殻や綿の実に黒色火薬を塗り付けたものです。この割薬の量が打揚花火の大きさを左右します。

星は炭素・硫黄・デンプンの粉末などの燃焼剤に,塩素酸カリウムや過塩素酸カリウムといった酸化剤と金属化合物を発色剤として加えたものです。この金属化合物の種類によってさまざまな色を発色します。                                         硝酸ストロンチウム⇒赤色                                   硝酸バリウム⇒緑色                                     緑青(銅のさび)⇒青色                                   シュウ酸ナトリウム⇒黄色                                        マグネシウムやアルミニウムの粉末⇒白色                                これらの物質によって色がつく理由は炎色反応です。また,火薬に含まれている酸化剤は,燃焼剤が効率よく燃焼するために添加されている。

緑駒

江戸時代の花火は酸化剤として硝酸カリウムを使用していました。現在使われている塩素酸カリウムと比べると燃焼温度が低いため,光も色も弱いものでした。明治時代になり,塩素酸カリウムが輸入されると燃焼温度が上がり,光は強く色鮮やかなものになったと言われています。

SCIENCE IS ELEGANT SCIENCEは日常の中に…

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