【高等部 中島校】SCIENCE IS ELEGANT Vol.熱中症

熱中症とは,高温多湿な環境に私たちの体が適応できないことで生じる様々な症状の総称です。私たちの体を構成するタンパク質は熱やアルコール,pHの変化といった様々な要因で変性します。変性とは性質が変化することを言い,タンパク質が変性するとタンパク質としての機能を失います。よって,体の機能が正常に保てなくなります。タンパク質の変性の有名な例としてゆで卵があります。卵をゆでると卵が固まりますが,固まったものをまた冷やしても元には戻りません。このように,一度変性したタンパク質は元には戻りません。これは人間も同じで,熱によって体内のタンパク質が変性すると,もう元通りには戻りません。

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もちろん,生きていれば体の代謝によって新たなタンパク質が作られていくので,変性したタンパク質はそのうち無くなっていくとされていますが,体の部位によっては完全に入れ替わるのに長い期間がかかったり,変性したタンパク質によって体の組織や臓器に異常を引き起こしたりします。特に,脳や腎臓などの重要な臓器は熱に弱いため,熱中症によるタンパク質の変性の影響を受けやすくなります。

緑駒

上記のように,一度熱中症になってしまうと多くの後遺症を引き起こす可能性があります。なので熱中症にならないことが重要です。熱中症にならない要するための対策としては「体の温度をあげない」ことが重要です。以下に,熱中症にならないための対策をいくつか書いていきます。

水分補給と塩分補給をする。                          汗をかき,その汗が蒸発することで体温を下げます。汗をかくと体の水分が減るのでしっかりと水分補給をしましょう。

温度だけでなく湿度も気にする。                        湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるので体温が下がりません。気温が高くないからと言って油断は禁物です。

汗をかいたときにすぐに拭かない。                       汗が蒸発することで体温を下げるので,すぐに拭いてしまうのではなく,うちわなどであおぐことで乾かしていきましょう。どうしても不快な時は濡れたタオルで拭きましょう。

日差しを避けましょう。                            直接日に当たると,気温が高くなくても体温が上がりやすくなります。

冷却グッズを使う。                              気温が高すぎるときは,汗だけではどうにもなりません。冷却グッズを適切に使っていきましょう。

休憩をこまめにとる。                             体温を下げるという行為は体にとってはとても重労働です。疲労によってより不調にもなりますので,しっかりと意識していきましょう。

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文理学院中島校高等部理系担当 伴野

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