【吉原校高等部】SCIENCE IS ELEGANT Vol.医薬品

病気の診断・治療や予防などに用いられる物質を医薬品という。医薬品が生物に与える作用を薬理作用と言い、そのうち目的に合う作用を主作用、それ以外のものを副作用という。人類は長年の経験によって、植物・動物・鉱物などを病気の治療に利用してきた。このように、天然のものをそのまま薬にしたものを生薬という。やがて、生薬の中から有効な成分だけを抽出したり、人工的に合成したりして治療に用いるようになってきました。

緑駒

紀元前から、ケシの実からとれる阿片に麻酔・鎮痛作用があることが知られていたが、19世紀初頭にドイツの科学者セルチュルナーによって、阿片からモルヒネが単離された。モルヒネの鎮痛作用は絶大で、現在でも末期がんの患者の痛みの緩和に使用されている。ちなみにモルヒネの由来はギリシア神話の眠りの女神「モルフェウス」である。

紫駒

病気の原因となる微生物を病原微生物といい、これによって引き起こされる病気を感染症と言います。19世紀後半、ドイツのコッホは、炭疽菌・結核菌・コレラ菌などを次々に発見し、感染症を引き起こす原因が最近であるということを明らかにした。この発見以降、多くの研究者によって、人間には無害で、病原菌だけを選択的に殺すような薬が必死に探し求められた。

赤駒

1935年、ドイツのドマークは、赤色のアゾアゾ色素の一種であるプロンドジルが細菌の増殖は抑えるが、人間の細胞には無害であることを発見した。後になって、この色素自体は最近は殺さないが、体内で分解されたときに生成されるスルファニルアミドが細菌の増殖を抑えることが分かった。その後、多種類のスルファニルアミドの誘導体が作られ、サルファ剤と総称されている。1928年、イギリスのフレミングは、アオカビから抽出した物質に最近の増殖を抑える作用があることを発見し、アオカビの学名にちなんでペニシリンと命名した。ペニシリンのように、微生物によって生産される物質のうち、他の微生物の発育を阻害する作用を持つ物質を抗生物質という。

SCIENCE IS ELEGANT

文理学院吉原校高等部理系担当 伴野