【吉原校高等部】単語ゲー

こんにちは。吉原校高等部です。

A.Emergency doors can be found at (     ) ends of this hallway.
①both ②each③either ④neither

B. Last summer was perfect for growing vegetables, so the farm(    ) a large amount of produce.
①struggled ②yielded ③decreased ④regretted

この2つの4択問題、見た目は同じですが、正解するのに必要な知識は大きく異なります。Aは「非常口はこの廊下の(     )側にある」という括弧内に①両方②各々③どちらか④どちらも〜ない、から適切なものを選ぶ問題ですが、意味からは決めようがありません。決め手はendsのsで①〜④のうち後ろに複数形を取れるのは①bothだけ、という理由で①が正解となります。
一方Bは「昨年の夏は野菜の栽培に最適で、農家は大量の野菜を(          )」という括弧内に①戦う②生産する③減少する④後悔する、から適切なものを選ばせる問題で当然正解は②になります。
このようにこの2つの問題はAが文法語法といった英語のルールを聞いているのに対して、Bは言葉を知っているかが問われているという点で大きく性質が異なるのです。

ところでAは共通テストの前身であるセンター試験2020年の問題で、Bは昨年刷新された英検2級の最近の問題です。この間わずか5年足らずですが昔ながらの文法問題は消えて、語彙力を問う問題に変わるという大きな変化がありました(大学入試の共通テストからはこのような選択問題自体が消滅しています)極端なことを言えば英語で点を取るために、もはや文法学習は不要で、知っている単語が多ければよい、ということになります。つまり現在の英語のテストは今回のタイトルでもある単語ゲーなのです。

こうお話しすると「なんだ、英語は単語覚えるだけなら簡単じゃん、1人でもできそう」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。まず、覚えるべき単語数は格段に増えています。多くの学校で使用されているLEAPという単語集は改訂版で単語数が300増えました。また熟語の重要性も増しています。確かに細かい文法問題は無くなりましたが、主要な文法の理解は不可欠でそれがなければいくら単語を知っていても英文は読めません。私見では入試英語の難度はインフレ傾向で今後もこの流れが続くと思われます。

では、変化しつつある入試英語にどのように準備したらいいのでしょうか?まずは基本文法を完全にマスターすることです。例えばパッと見てこのingは何かわかるレベルにすることが必要です。並行して単語力を増やしていく作業をすべきです。文理では学校の定期テストに対応しつつ、1年次で基本文法を終わらせ、2年次ではそれを活かした読解力を鍛えるという方針で進めています。
生徒1人1人が将来進学や就職した先で「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ことができるようになってくれればと考えています。