ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、人間の行う社会的な行為を、「目的合理的行為」「価値合理的行為」「感情的行為」「伝統的行為」の4つに分類しました。ここでいう社会的行為とは、主観的に意図されたまたは意味のある行為、直接的間接的に他者に向けられた行為、という意味です。少し詳しく見ていきましょう。
赤駒
「目的合理的行為」とは、目的に対して適合的な手段を選択する行為のことです。例えば、「なぜ勉強をしますか」という問いに対して、「大学に合格するためです」と答えたとしましょう。この人にとっての勉強は目的合理的行為であると言えるでしょう。このように、何かの目的のために行う行為を目的合理的行為と言います。ダイエットのための「運動」やお金を稼ぐための「バイト」といった行為もこれに含まれるでしょう。
緑駒
「価値合理的行為」とは、特定の価値観に沿った行為のことです。宗教的・芸術的・倫理的な行為は価値合理的行為の具体例と言えます。例えば、縁起を担ぐ行為は価値合理的行為と言えるでしょう。この価値合理的行為は、行為そのものに価値があると考えます。
紫駒
「感情的行為」とは、感情が原因となる行為のことです。感動的な映画を見て泣いたといった行為は感情的行為であると言えます。
青駒
「伝統的行為」とは、日常の習慣化した行為のことです。例えば、電話の時にもしもしというように、日常生活の中で特に意味を考えないで行っている行為は伝統的行為であると言えます。
閑話休題
このようにウェーバーは、社会的行為を4つに分類することで、一般化可能な分析方法を確立しようと試みる、現象の原因と結果の関係(因果帰属)を科学的に説明しようとしたといえます。
文理学院中島校高等部理系担当 伴野