宇宙空間を運動する惑星や衛星といった物体は、万有引力を受けて運動しています。このように、万有引力を受けて運動する物体の運動は円錐曲線(楕円、放物線、双曲線)の3種類だけであることを最初に示したのは、数学者のヨハン・ベルヌーイです。「オイラーの公式」で有名なレオンハルト・オイラーは、ベルヌーイの弟子にあたります。ベルヌーイは微積分学の分野で数多くの業績を残しており、例えば、懸垂曲線(カテナリー曲線)の方程式や指数関数の微積分法などを発見しています。
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また、ベルヌーイは「平均値の定理(ロピタルの定理)」の発見者でもあります。それにも関わらず、何故「平均値の定理」は「ロピタルの定理」と呼ばれるのでしょうか? 実は、ベルヌーイは個人指導をしていたギヨーム・ド・ロピタル男爵が出版した微積分学の教科書に「平均値の定理」を書いたために、この定理は「ロピタルの定理」と呼ばれるようになりました。
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物理学や数学の分野の「法則」や「定理」などのなかには、第1発見者でない人の名前がついている例があります。有名どころで言うと「オームの法則」があります。「オームの法則」はゲオルク・オームが発表する約半世紀も前に、水素の発見等で知られるヘンリー・キャベンディッシュによって発見されていましたが、発表していなかったため「オームの法則」と呼ばれるようになりました。後世に名前を残すことが目的でないにしても、何かを発見・発明した際には、しっかりと記録を残し、広く世間に発信することが大切だということも忘れずに。
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「知る」ことで世界が「広がる」、「学ぶ」ことで世界が「色付く」
文理学院中島校 理系担当 伴野
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