【厚原校】「頭を垂れる」

こんにちは。厚原校の芹沢です。

皆さんは、「頭を垂れる」(こうべをたれる)という言葉の意味が分かりますでしょうか。

読んで字のごとく、「頭を下げる」という意味ですね。先日、中学一年生の模試で、一番最初の長文にこの言葉が出てきました。

普段あまり聞きなれない、少々昔の言葉ですから、この言葉の意味がよくわからない人もいたようです。一応、今回はこの言葉の意味が分からなくても、他の部分をしっかり読めば比較的簡単に内容を理解できる問題ではありました。しかし、中学生の皆さんの中には既にこの言葉を聞いたことがある人がいるはずです。

そう、今まさに劇場版も公開されて大ヒット中の、鬼滅の刃に登場する黒幕、無惨様の名言ですね。自身の部下である下弦の鬼たちを戦犯扱いして叱り飛ばす、俗にパワハラ会議と呼ばれている伝説のシーンで飛び出した言葉です。

あの時、無惨様は開口一番に「頭を垂れて蹲え。」(こうべをたれてつくばえ)と言い放ちました。花魁姿で女装したまま部下を詰めるというシュールな光景に意識を奪われがちですが、あのシーンを知っている皆さんは既にこの言葉を聞いています。「頭を垂れて蹲え。」とは、「頭を下げて土下座しろ。」という意味なのです。あの恐ろしい顔と声でこんなことを言われたものですから、部下たちが顔を真っ青にして一斉に土下座したのも当然のことです。(まあ無惨様の部下はみんなもともと顔色が悪いですが。)

今は本当にたくさんのアニメや漫画が流行っています。それを楽しむのもまた素晴らしいことです。しかし、せっかく楽しむならより深く楽しんでほしいと私は思います。私もかつて漫画家を志したことがありますが、漫画の台詞というのは知識の宝庫です。優れた漫画家や編集者ほど考証を重ね、場面の雰囲気を盛り上げる名言を生み出します。その中には教科書を読むだけでは知りえないような知識も眠っているものです。

だからこそ、普段自分の好きな漫画やアニメを見ていて、「ん?この台詞ってどんな意味なんだろう?」などと思うことがあれば、ぜひ調べてみてください。勉強も遊びも、全ては疑問から始まります。そうして調べた知識は、より深く皆さんの記憶に染み込むことになりますし、思わぬところで役に立つこともあるでしょう。