酸と塩基とはどんな物質でしょうか。このような物質を酸と呼ぶ、塩基と呼ぶという定義は様々ありますが、高校の化学で真っ先に習うのはアレニウスの定義です。アレニウスの定義によると「酸は水に溶けて水素イオンを塩基は水に溶けて水酸化物イオンを生じる物質」とされています。この定義の元になっている考え方は「電離」です。物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることを電離と言います。
紫駒
電離という現象を発見し、理論的に説明を行ったのはアレニウスです。アレニウスはこの功績によってノーベル化学賞を受賞しています。当時、原子や分子の存在も直接観測することが難しかった時代に、自身の提唱した電離という考え方をもとに、酸塩基の定義を行ったことはとても画期的でした。高校化学ではあまり重要とされないアレニウスの定義ですが、実はとてもすごい背景を持っています。
SCIENCE IS ELEGANT SCIENCEは日常の中に…
文理学院中島校高等部理系担当 伴野
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