先日、なめり校から家へ帰ろうと車を走らせていると、車内で何か光るものが!一瞬何かわからなかったものの、その光がふらふらと空中を移動してきて、ハンドルに止まったのを見てみるとなんと1匹のホタルでした。なぜこんなところにホタルが?と思いましたが、車を運転しているためどうにもできず、自宅に着いてからそっと外に逃がし
てあげました。これはその時に撮った写真です。
蛍と言えば、まず源氏物語の「蛍」の帖を思い出します。高校生は源氏物語を読んでおくべきですが、話の概要を非常におおざっぱではあるものの端的に説明しますと、主人公光源氏の弟である蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)が、源氏の養女玉鬘(たまかずら)の部屋に蛍がたくさん入ってきたことで御簾(みす)越しに見えた彼女のビジュに圧倒されるという話です。
蛍は枕草子にも登場しますが、古典では恋心を表現するのに用いられることも多いようです。この源氏物語の中でも「声はせで 身のみ焦がす 蛍こそ 言ふよりまさる 思ひなるらめ」(声も出さずに体を焦がす蛍のように深く深く恋してる)などと詠まれています。
さて、次に中国に話を移しますと、貧しい車胤(しゃいん)という青年が蛍を集めてその明かりで勉強したという故事があります。同時代の雪明かりで勉強した孫康(そんこう)と並び「蛍雪の功」とう言葉で知られていて、刻苦勉励する様を表しています。店舗などで閉店間際に流れる「蛍の光」の元ネタですね。
ところで、車胤のいたのは3世紀の東晋の時代にあたります。このころは官吏登用試験である科挙は始まっておらず瑯琊王氏(ろうやおうし)に代表される貴族の時代でした。一般人が勉強したところで偉くなれるわけではありません。実は車胤も貧しいとはいえ祖父は州の刺史(しし・知事にあたる)を務めており全くの庶民ではありませんでした。そしてこの蛍の光で勉強したという噂が広まり、立派な人物として注目されるようになっていきます。そう考えると車胤は最初からバズ狙いで蛍を集めていたのかもしれませんね。
生徒のみなさんにとって、今一番大事なのは恋愛ですか?勉強ですか?