【1,009】大惨事

7/9(土)午前4:00です。

昨日7/8(金)は大変痛ましいニュースが飛び込んできました。安倍元首相が41歳の男に銃殺されるという痛ましい事件です。謹んでお悔やみ申し上げます。

事の成り行きや事件の全容については報道に任せるとして、私は「報道を見ていての率直な感想」を書いておきます。長時間に渡りこの大事件の報道を視聴し、色々と思うところがありましたので、場違いを承知で書いておきたいと思います。

最初の数時間は「驚愕」の一言に尽きます。私の人生を振り返り、これまでも国内で銃による痛ましい事件がありましたし、政治家を狙った事件も複数ありました。しかし、今回はこれまでとは違った「驚き」がありました。冷静に考えると次のような理由であると自分なりの解答を得ました。1つは「映像」です。スマホ1台あればだれでもその場で起こっていることを録画し、配信できる時代。今回も撃たれる直前の様子や倒れ込んだ安倍氏の映像がTVで流れたことで、あたかも自分がその場にいるような錯覚を覚えたことが驚きの理由の1つだと思います。2つ目は「現場」です。参議院議員選挙の応援演説の場ということもありますが、白昼、あれだけの人間が同じ方向を向いている場所。そんな場所で起こったということに大変な驚きがありました。

しかし、長時間に及ぶ報道を視聴しながら、自分の中での感情が「驚き」から「ある種の違和感」へと変わっていきました。1つは「元自衛官」という経歴を紹介している点です。最終的に殺人犯として逮捕された41歳のその男を紹介する際、必ずその冠がつくのです。私は「元自衛官」って言葉を繰り返し伝える必要があるのかと感じました。「元自衛官」とつくとインパクトがありますよね。しかし、その男は期限付き採用で3年間海上自衛隊に所属しただけで、しかも17年も前のことだそうです。私が現職自衛官(または退役自衛官)であったならどう感じたか。あるいは家族に自衛官を持つ方々はどう感じたか。2つ目の違和感は「民主主義に対する挑戦・冒涜」という言葉を政治家が異口同音に繰り返していたことです。確かに選挙戦での演説中の出来事で一見、暴力による言論封鎖のように見えるが、41歳の男がそれを目的とせず犯行に及んだ可能性もあるのではないかと思いながら見ていました。最初から選挙を邪魔したり、政治思想に対して暴力に訴え民主主義の根幹を潰そうとしたりを目的に実行したのであれば、政治家たちが言う言葉は正しいが、その「卑劣で野蛮な行為」を行った理由が別のところにあり、たまたま応援演説の場が彼にとっての実行の機会となったとすれば、結果的に一部はそうなったにせよ、やはり最初から「民主主義に対する挑戦・冒涜」と決めつけて発言するのは早計ではないかと思いながらTVを見ていました。結果、第一報から数時間経ち、彼の蛮行の理由が、彼の言い分として「安倍氏の政治思想に対してではなく、ある種の仇討ちの意味で実行した」ことが報道されました。彼の述べた理由が事実であれば、「一部、結果的に民主主義に対する挑戦・冒涜となった」ということでしょう。犯行理由を聞いても、私は彼の犯行動機は別のところにあるような気がしていますが……今後、解明されていくでしょう。その他にもう1つ報道に関する違和感を感じる部分がありましたが、長くなりましたので割愛します。

いずれにせよ、暴力に訴えて自分の信念を貫いたり、目的を達成したりなんてことは許されないのです。

最後に67歳という年齢で、このようなことでこの世を去ることとなった安倍元首相。さぞかし無念であったと思います。繰り返しになりますが、謹んでお悔やみ申し上げます。

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